いくつになっても変わらず、自分の中で「これは苦手だな」と思うものってあると思うんです。
僕は26歳になった今でも、会社のトイレでウンコするのが苦手です。
どうしてもしたいときは、人がいないときにサッと個室に入って、サッと用を足し、サッと退室。
もし途中で人が入ってこようもんなら、退室音を確認するまで個室で息を潜めています。
まるで忍者です。
これでもマシになった方で、学生時代はもうこれ以上耐えたら決壊するってレベルまで追い込まれないと、学校のトイレを使いませんでした。
デパートのトイレなんかで赤の他人に見られるのは平気なのですが、顔見知りに「こいつ今ウンコしたんだな」と悟られるのだけは、未だに苦手なんです。
うんこするとき、気張り声&音を出せる先輩
同じ部署には、2歳年上の僕と同じく20代の男性がいます。
爽やかでハキハキした人当たりのいいイケメンです。
おまけに仕事っぷりも上司との付き合い方も僕とは段違いで、大して歳も変わらないのにすごいなぁといつも感心しています。
「カッコイイのに気さくなお兄さん」って感じのキャラで、他部署の人からも男女問わず人気者。
僕ももちろん大好きです。
ただ、ひとつ気になるところが。
その人、ウンコするときめっちゃ気張り声をあげるんです。
「うっ!あぁー…ふっ!っつー…」
みたいな。
加えて排泄音もダイナミック。
「バリバリバリ!!…プゥ」
100%の力を肛門に入れて、初めて出るレベルの音量。
締めにオナラを添えるお茶目な一面まで。
なんの躊躇いもなく、一点に全力を注いでいるのが聞いただけでわかります。
僕がそれをできるのは家だけです。
それを会社でできるんです。
そしてなにがすごいって、トイレ内に人がいても構わないその心意気。
こんなの聞かれたら恥ずかしいって感情はないんでしょうか。
個室から出てきて顔を合わせても、いつもの爽やかスマイルで
「あっ、おつかれさまです!」
なんて言ってのけるのです。
いやいや、疲れたのはあなたの方だろうと。
「あ、やっべ、聞かれたかも」って顔すらしないんです。
もう単純にカッコイイな、と。
うるさいし汚ねぇー、なんてそんな野暮ったいことは置いといて。
タフ。もう精神がタフすぎる。その精神力の強さは僕の何倍あるんだ。
よそ行き排便スタイルへのモードチェンジなし。
そんなのは女々しいと言わんばかりの、ありのまま全力排便。
その人からしたら、きっと人に聞かれてもいい昔なんでしょう。
気張り声も排出音も。
足音とか咳と同じジャンルなんだと思います。
かなわない。
そうはなれないまま年をとる僕
1万円あげるよって言われても、僕は人前でそんな音出す勇気はない。
どれだけ金持ちになっても、イケメンに産まれてきてたとしても、こんな風にはなれる気がしない。
50~60代なら、まだわかりますよ?
もう完全におっさんだな、って年齢の人なら。
人生経験的なことを考えたら、そんな羞恥心どうってことないんだろうな、と。
でも20代。
まだそこ照れがあってもいい時期じゃない?
こっちは人前で個室に入ることすらまだ恥ずかしいのに、なんたる差。
すべての面でかなわない。
なにか弱点はないのかと嫌いな食べ物を尋ねてみると、ピーマンが苦手らしい。
オーケーオーケーもう充分。
イケメンでピーマン嫌いなんて、カワイイっていうギャップしか生まない。
しっかりそこも抑えてる。
素だとしても計算だとしても100点の答え。
あんな爆音でウンコする肝っ玉の強さはあるのに、ピーマンが苦手。
はいはいはいはい。
僕ですらそれ聞いてフフッって優しい気持ちになったんだから、女性ならもう母性本能くすぐられまくりだろう。
魚の目玉とか嫌いですわーとか僕なら言っちゃう。
嫌いな食べ物ですら、かなわない。
僕ももっと歳をとったら、精神がタフになるんだろうか。
周りの目なんて気にせず、排泄音フルボリュームのウンコができるようになるんだろうか。
いやー、どんなにはやく見積もっても、40代でやっと顔見知りの前でも恥ずかしがることなく個室に入れるレベルだな。