「富士山さんは思春期」というマンガを知っていますか?
漫画アクションにてオジロマコトさんが連載していた8巻完結の短い青春マンガです。
それを最近また読み返したのですが、あまりのいじらしさに悶え死にそうになりましたw
今回はそんな「富士山さんは思春期」を、ネタバレ感想を交えつつ3つの魅力に分けてご紹介します!
そして声を大にして言っておきたい。
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「富士山さんは思春期」のあらすじ・内容
魅力を伝える前に、まずは「富士山さんは思春期」のざっくりとしたあらすじから説明しますね。
連載中から話題騒然! 身長181㎝中学2年女子の、とまらない思春期!
『カテキン』のオジロマコトが、人生のほんの一瞬にきらめく中学生の思春期をあざやかに切り取る高身長美少女への愛を込めたラブコメ待望の第1巻。
女子バレー部のエース・富士山牧央(ふじやま・まきお)は身長181センチ。
けれど心は思春期の女の子。
ひょんなことから幼なじみの上場優一と付き合うことになって、思春期が大暴走!?
引用:amazon内容紹介より
そうです!
このマンガは身長差カップルの青春恋愛マンガです。
身長160センチの上場(かんば) くんと、181センチの富士山(ふじやま)さん。
そんなふたりが物語の主役です。
「富士山さんは思春期」の魅力その1:ウブな中学生のリアルすぎる恋模様
付き合うきっかけは、上場くんが女子更衣室を覗いたのがすべてのはじまりなんですが(しかも他の女子目当て)そんなのはこの際どうでもいいんです!
とにもかくにもう、ふたりがウブでカワイイんです。
付き合うことになった上場くんと富士山さんですが、中学生だしお互い恋人ができるのははじめてだしで、どうしていいか分かりません。
ずーっと探り探りの状態です。
しかも、それが最終巻まで続きます。
この「探り探り感を楽しむ漫画」といっても過言ではありません。
なかなか進展しないからと言って「君に届け」のような波乱万丈も一切起きません。(あれはあれで好きだけど)
ほんとうに淡々とした日常のまま、中学生のリアルな恋愛が描かれています。
しかも、周りに冷やかされるのが嫌で「みんなにはバレないように」コソコソと付き合いやがりますw
THE 中学生。
みんなの前ではお互い全力でなんとも思ってない振り。
でも異性と喋っているところをみると一日中モヤモヤしっぱなし。
でも本人には言わない。
いや、言えない。
そんな「あったなぁ…。」と思わせてくれる懐かしい描写がたくさん出てきます。
自分の中学時代を思い出して、とってもリアルでした。
手を繋ぐこともなく、ふたりで一緒に歩けるだけで鼻血が出そうなほど興奮した帰り道。
童心とも違う、青春をかけだし始めたばかりのあの頃。
そんなほんの一瞬で過ぎてしまうレアな時期が蘇ってきますよ。
「富士山さんは思春期」の魅力その2:無駄な言葉は一切なし!しぐさと表情で「好き」を語る
「富士山さんは思春期」はコマが大きいです。
読んだことある人ならピンとくると思いますが、バキみたいな感じですw
1ページに4コマとかしかありません。
そしてセリフもめっちゃ少ないです。
ほぼ絵です。
身長差も、お互いが好きなことも、ヤキモチも、すべてその絵のしぐさや表情で語ってくれます。
その描写がとっても丁寧で、だからといってあざとさはありません。
どこまでも「リアリティある純粋な中学生」という一本筋が通っています。
ふたりとも口下手で、言葉では全然語ってくれません。
でも、それでいいんです。
いや、そこがいいんです。
富士山さんはケータイを持っておらず、ふたりの約束の取り付けはメモ書きが主です。
みんなにバレたくないから、少し離れた神社で待ち合わせします。
少ないお小遣いを一生懸命やりくりし、不格好なデートします。
読み手はそんな二人をこっそり草陰から見守っている。
そんな気持ちが味わえます。
それはきっとセリフが少ない分、しぐさや表情を使って読み手に多くを委ねてくれるから味わえる感覚なんでしょう。
読み手がその場にいるような、不思議な感覚にさせてくれる漫画です。
「富士山さんは思春期」の魅力その3:最終回まできっちりリアル!ピュアな完結
ネタバレになります。
ですが、感覚的には「ちびまる子ちゃん」をネタバレしてるような感じなので、今から読む人も気にしなくて大丈夫です。
でも読みたくない人はスルーしてね。
「富士山さんは思春期」のクライマックスは、青春恋愛マンガにありがちな「キス」でもなければ「進路で離ればなれになること」でもありません。
「みんなに付き合っていることをバラすこと」なんです。
そうです、たったそれだけなんです。
最後に「俺たち実は付き合ってたんだぜー」ってバラすことが物語のラストです。
どうですこのピュアさ。
ウブすぎません?
でもでも、中学生の恋愛ってこんなもんでしたよね。
しょぼ!って思いました?
でもね、それは違いますよ。大間違いです。
こっちは担任の先生になった気分で8巻までずーっと探り探りしてきたのを見守ってきましたからねw
ぎこちないけど、ゆっくり確実に穏やかな坂を上っていくようなふたりの恋が素敵なんです。
周りになんて言われもいい。
冷やかされても、誰にもとられたくないし言ってしまおう。
そんな様子(もちろん言葉には出しません)を大爆発させて完結です。
ずっと「はずかしいから」という中学生らしすぎる理由でバレないようにコソコソ付き合ってきたふたり。
そんなふたりが一大決心して出した答えが、「関係を公にすること」だったんです。
もうね、あっぱれです。
「バレてもいいよ俺」
「ええのん?」
「かまわんですたい」
はもう、名言です。読めば分かります。
そして8巻完結っていうのも素晴らしいんです。
こ以上長いとやりすぎだし、短いと物足りなかった。
そんな絶妙な「ちょうどよさ」のまま物語は終わります。
ダラダラ引き延ばさず、幕引きがきれいなマンガでした。
「富士山さんは思春期」はこんな作品が好きな人におすすめ!
内容は青春マンガですが、カテゴリー分けするならばどちらかというと
- 日常系
- ほのぼの
- ほっこり
といった感じです。
ほんとに淡々とした日常の中、リアルな中学生のウブな恋愛を描いている作品ですよ。
マンガでいうと
- よつばと!
- ふらいんぐうぃっち
なんかが好きな人は楽しめると思います。
そして、映画だと記事にもしましたが「リズと青い鳥」が好きな人にはかなりおすすめですね!
「富士山さんは思春期」ネタバレ感想レビュー/まとめ
僕が思う「富士山さんは思春期」の魅力は以下の3点。
- ウブな中学生のリアルすぎる恋模様
- 無駄な言葉は一切ないしぐさと表情で「好き」を語る
- ラストまできっちりリアル!ピュアな完結
ドラマチックで大胆な展開はありませんが、好きな人はかなり好きなタイプのマンガだと思います。
興味のある人は、ぜひ読んでみてください。
そして、ほんとに続編&アニメ化してほしい作品です!
いつか叶うといいなー。